あたり前のくらしサポートセンター
~利用者の自立支援~
事業概要
- 【A】布施屋1階 デイサービス:定員20人
- 【A】布施屋2階 ショートステイ定員20人
- 【B】いきいき工房 機能訓練ホール
- 【C】よろず屋 居宅介護支援事業所
- 【C】よろず屋 ヘルパーステーション
- 【D】cafeひまわり畑 地域コミュニティカフェ
建築概要
階数 | 【A】地上2階建て【B~D】平屋 |
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地域制限 | その他の地域 |
防耐火種別 | 【A】準耐火建築物 【B~D】その他の建築物 |
敷地面積 | 2,774.86㎡ |
延床面積 | 【A~D】1,098.37㎡ 【A】838.64㎡【B】82.65㎡ 【C】77.50㎡【D】99.58㎡ |
構造種別 | 木造(軸組工法) |
設計・監理 | 合同会社わくわくデザイン |
施工 | 株式会社カネモト |
アドバイザー | ケア・プロデュースRX組 |
工事工期 | 2015年8月~2016年5月 |
木造施設としての工夫
1. 森林組合を活かした木材の調達
全棟合わせて県産材を75%使用している。木材の調達は設計段階から取り組み、木を卸している材木屋が限られているため、森林組合を通して材木屋に財産区(山林などを持つ特別地方公共団体)から木材を購入してもらった。
2. 準耐火建築物の設計手法
2階建ての布施屋は、柱や梁を被覆して準耐火建築物とし、そのうち一部を燃えしろ設計とすることで、木造らしい落ち着きのある空間となっている。
3. 木に囲まれた中庭
屋外の柱、庇、渡り廊下、縁側など中庭を囲む空間にも積極的に木を使っている。利用者が手作りしたベンチや花壇が並び、利用者の自由な活動を支援している。
4. 景観への配慮
蔵など周囲の建物と色合いを揃えるだけでなく、1棟1棟のボリュームを抑え、屋根の勾配にも配慮しつつ、昔ながらの屋根形状とすることで周辺の景観との調和が保たれている。
施設概要
高齢になっても、認知症になっても、障がいがあっても、住み慣れた地域・自宅で暮らし続けることを支える拠点づくりを目指している。立ち寄りやすい立地で、いつも賑やかに人々が出入りし、四季の中で暮らしにまつわる楽しい作業を行うことをコンセプトに、施設の利用者だけでなく地域の人も一緒に作業する中で信頼関係を築き、互いに助け合う地域サロンのような福祉施設を計画した。
木造・木質化の特徴
5. 食堂・キッチンの木質化
フローリングや木製建具、壁際に置かれた水屋箪笥が懐かしい雰囲気をつくっている。アイランド型キッチンの高さを抑えることで、利用者は座って調理ができる。
6. 浴室の木質化
浴室には信楽焼と青森ヒバの2つの浴槽があり、香りと肌触りが心地いいものとなっている。椅子と浴槽の高さを揃える、浴槽のくぼみをつくるなど、自力で入浴できるように配慮している。
7. 床に木材を利用する工夫
フローリングには主に佐久市春日地区のカラマツ無垢材を使用している。強度にばらつきのある材であったことや、配膳用キャスターのタイヤがウレタンで無かったことで、一部の床に目立ちやすい傷が付いていたため、ガラス塗装を施し、保護している。
8. 木製の目隠し
脱衣所の隣に設けられたパウダールームと廊下は、気配が感じられるように木製ルーバーで緩やかに仕切っている。
運営者・現場で働くスタッフ・設計者の声
- ワゴンなどの備品を購入する際、床に木を張っていることを考慮せずに選んでしまったため、スタッフ全員が鉄筋コンクリート造と木造の違いを理解しておく必要がある。[運営者]
- 地域密着型の施設は、以前に比べて木造が当たり前になってきたように感じられる。[設計者]
- 木造の建築物において遮音性の確保は課題となりやすいため、木造で設計し始める際に建築主に対して、音が伝わるかもしれないということを伝えるようにしている。[設計者]