医療法人共生会 川湯の森病院
~患者の心身への癒し効果を高める医療施設~

ロビー【外来】
施設外観
待合【外来】

事業概要

内科・心療内科・精神科・リハビリテーション科 病院

  • 病床数:100床

建築概要

階数 地上2階建て
地域制限 市街化調整区域(防火制限なし)
防耐火種別 その他建築物
敷地面積 28,507㎡
延床面積 2,981㎡
構造種別 木造・一部鉄筋コンクリート造
設計 株式会社中村勉総合計画事務所
施工 戸田建設株式会社
工事工期 2011年8月~2012年3月
その他 2010 IBEC第一回先導事業採択

木造施設としての工夫

1. 地域の流通規格材を活用した、合理的な構造の木造施設

ロビー【外来】

極力木材の断面寸法を抑えるために方杖を用い、樹木をイメージした架構形態とし、来訪者をやさしく迎えている。

 
 

病室【病棟】

主な構造材には地域産プレカット規格流通材を用いている。内装や家具も木質化し、温かみのある療養空間を実現している。

 
 

機能訓練室【診療】

水平力は主としてRCコア部分に負担させることで木造部分の耐力壁量を減らし、開放的な空間づくりを実現している。

2. 内装制限が適用されない部分を木質化する

処置室【外来】

内装制限が適用されない床、腰壁、サッシを木質化し清潔感のある処置空間を実現している。

 
 

廊下【共用動線】

床は複合フローリング、腰壁にトドマツを張り、また病室出入口建具を木製とし、温かみのある通路空間を実現している。

施設概要

本施設は理事長の強い希望により、認知症患者への癒し効果のため木造を選択した。病室ユニットの2階部分を300㎡未満とし、かつ、ジョイント部のRCコアに水平力を分担させ、規格流通材の中小断面集成材の木造躯体とすることを可能としている。温泉エネルギーを6段階にカスケード利用し、CO2の排出量を60%削減している。

運営者・現場で働くスタッフ・設計者の声

木造化、木質化した室内の雰囲気は、入院者及び外来患者から好評である。他の医療施設で落ち着きがなかった患者が転院してきたところ、行動が落ち着いた事例もある。地域の火山の影響により空気中に二酸化硫黄が含まれて金属やコンクリートの劣化が懸念されるのに対し、木造化は耐久性上もメリットがあった。